1か月くらい前から車を運転していると、右頚・背中(肩甲骨の内側)・腕の外側がしくしくと痛むようになった。時間がたてば治るだろうと思い放置していたら、だんだん車を運転していない時でも痛みが出るようになってきた。現在は常に痛みがあり、車を運転した時に特に強い痛みを感じる。特に思い当たる原因はない。 当治療室で施術を受けたことがある家族に勧められて来室した。
頚の動きを検査してみると、前屈で軽い痛みがあり、後屈するとより強い痛みが出現した。運転中はハンドルを握るために肩関節を屈曲する(腕を前に上げる)。この姿勢になると症状がより強くなることから、腕の付け根である肩甲骨の動きに原因があると考え、肩甲骨の周囲を触診すると強いコリが見つかった。ここに鍼をしたところ、肩甲骨の内側の痛みが半分程度まで減った。続けて頚椎から胸椎を調べると、腕の症状と関連する部位に反応があったので、ここに鍼をした。仕上げに頚椎の動きを整えるツボに鍼を追加したところ、頚椎後屈の可動域が大幅に改善し、症状も来室時の3割まで緩和されたので、施術を終了した。 後日経過を確認したところ、施術後2日間は少し症状が残ってたが、それ以降はほとんど気にならなくなったとのこと。
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胸椎が頚椎の動きを阻害していたことと、肩甲骨の動きの悪さが原因となっていた。頚の症状は、つながっている脊柱の離れた場所(胸椎・腰椎・仙骨など)に原因があることがしばしば見受けられる。また、症状がある頚部に直接鍼を打つと、かえって症状の悪化につながることもあるので、慎重に原因を見極めなくてはならない。
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当治療室の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。
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