3か月前くらいから右膝の裏側と外側に痛みを感じるようになった。市販の消炎鎮痛剤(ロキソニン)を服用したり、湿布を貼ってみたりしたが、痛みに変化はなかった。整形外科でレントゲンを撮ったが、関節に異常はなく、「筋肉の問題だろう」と言われた。
日常生活で坂の上り下りが多くなったことが原因ではないかと思い、ひと月ほど坂を歩かないようにしてみたが、痛みは減らなかった。
以前にも別の鍼灸院で施術を受けて、体調が良くなったことがある。インターネットで当治療室を見つけて来院した。
来室時は右足を引きずるように歩いていた。しゃがんだ時と、立位で右膝を曲げ、右手で踵に触れる動作(サンダルのひもを踵にかける時の動き)で、右膝外側から後面に痛みが生じる。 なれない坂の上り下りで、下肢だけでなく腰部にまで影響が及んだものと考えて、痛む部位と関連が深い腰と大腿のツボに鍼をした。再び膝を動かしてもらうと、痛みは半分程度となった。 再度触診すると、下腿後面の深部に筋緊張が残っていたので、対応する左下肢のツボに鍼を2本追加した。直後にしゃがむ、サンダルのひもをかける、歩行のいずれも痛みなく行えるようになった。 念のため、4日後に2診目の予約をしていただいたが、後日「痛みなく生活することが出来ている」との連絡を頂いたので1診で終了となった。
L5(1.5)R 築賓L 飛陽L
この例では、寝起きや歩いた後など膝を動かしていない時にも痛みが出ていることから、関節ではなく膝関節を動かす筋肉に問題があることが疑われた。膝の痛みは、腰殿部や反対側の下肢の筋肉の緊張が関係していることが多い。動作を慎重に観察し、原因を的確に見極めることが出来れば、今回のように早期の解決につながる。
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当治療室の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。
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