5日前から首の左側に痛みがあり、2日前からより強く痛むようになった。時間をおいて定期的に強い痛みが出て、しばらくすると少し治まることを繰り返している。首が強く痛む時は、左耳の後ろから盆のくぼにかけて頭痛がすることもある。強い痛みが出ていない時も、頚の左側は突っ張っていて重く感じる。
1週間前にフェイスケアの講習会で、肩の上を強く押された時に「強すぎて痛いな」と思ったが、我慢していた。直後は症状はなかったが、「もしかするとあれが関係しているのではないか」と思っている。
当治療室を勤務先の上司に紹介されて来室した。
痛みは首の左側全体に感じるが、うつむいた時に鎖骨の上から顎にかけてのラインに出る痛みが一番強い。触診すると、左鎖骨の上部と左後頚部、左背部の筋肉に強い緊張が見つかった。 フェイスケアの講習会で、肩の上を強く押された時に首や肩だけでなく、上肢や下肢にも強い筋緊張が生じたことが原因と考えた。 下腿を調べると、首の後側方と関連するツボに反応が出ていたので、そこに鍼をした。さらに左背部のツボに鍼を打ったところ、首を動かしてもほとんど痛みが出なくなった。まだ首の外側に突っ張り感が残るということだったので、最後に鎖骨から顎にかけての筋緊張に関連する手のツボに鍼をした。 再度動作を確認すると、うつむく動きも他の動きも痛みがなくなり、症状は来室時の1~2割まで改善していたので施術を終了とした。
合谷(L) 飛揚(L)
寝違いやムチウチなど首の痛みを治療する場合、痛みのある所に直接鍼をすると、効果が出ないばかりかかえって症状が強くなってしまうことがある。この例では、原因となった出来事から適切な治療点(ツボ)を見つけ出せたことが早期の改善につながった。
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当治療室の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。
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