【症状】 ばね指
【症状の特徴と経過】 4~5日前に左の中指を伸ばすときにカクッと引っかかるようになった。時間の経過とともに痛みが強くなり、右手で持たないと指を曲げることが出来なくなってしまった。特に思い当たる原因はない。夜になると痛みが強くなり、なかなか眠れないので困っている。病院は受診していない。
【既往歴(これまでかかった病気)】 特になし。
左の中指は赤く腫れていて、炎症を起こしている状態。指は完全には曲げることが出来ない。炎症を起こしている患部には直接アプローチせず、腕から肩・背部にかけての反応を確認していくと、左の肩甲骨の内側に押すと強く痛む場所を見つけた。ここに半米粒大の灸を15壮すえた。直後に指を伸ばした時の「カクッ」は残るが、中指を動かした時の痛みがなくなり、完全に曲げることが可能になった。 2診目(2日後) 痛みは初診時より少なくなっているが、まだ完全に曲げることが出来ない。前回と同じツボに半米粒大の灸を5壮すえた。 3診目(2診目の5日後) 前回治療後、翌日は少し痛んだが翌々日はほぼ痛みがなくなった。中指の関節がすべて完全に曲げられるようになり、伸ばすときの「カクッ」もなくなった。再発予防を兼ねて、前回と同じツボと反応があった脊柱上のツボに半米粒大の灸を5壮すえて治療を終了とした。
ツボ:膈兪(かくゆ)
ばね指(弾発指)に鍼灸が効果的であるのはあまり知られていないと思う。整形外科での一般的な治療は、安静(固定)、湿布などの消炎鎮痛剤、注射、それでも治療効果がなければ手術となる。すべてのばね指が鍼灸で治るわけではないが、治療手段の一つとして検討する価値があると考えている。
同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当治療室の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。
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